はじめに
「都市計画法・建築基準法以外の制限って、重説(重要事項説明書)で見ればいいでしょ?」
そう思っていた不動産初心者の私に、
地方物件を次々に買っている業者の社長がこう言いました。
「“都市再生特別措置法”はな、いちばん最初に調べなあかんねん」
正直、その時はピンと来ませんでした。
でも話を聞けば聞くほど、この一言の重みがわかってきました。
居住誘導区域?立地適正化計画?聞き慣れないけど超重要
「コンパクトシティ」ってご存知ですか?
地方では人口が減り、すべてのエリアにインフラを維持するのが難しくなっています。
だから都市は、**“中心部に人を集めたい”**んです。
この流れに基づいて作られるのが「立地適正化計画」。
市町村が独自に策定し、エリアを大きく2つに分けます:
- 居住誘導区域内(将来も人を住まわせたいエリア)
- 居住誘導区域外(インフラを縮小する可能性があるエリア)
この“線引き”こそが、不動産の将来価値を分ける基準になります。
なぜ“都市再生特別措置法”だけは最初に調べるべきか?
物件を見つけて、価格や間取りを確認して、
「これ、安くて利回りいいな!」と感じた時――
マイソク(物件広告)や資料には、
この**「都市再生特別措置法」の記載が小さく載っている程度**です。
それも、重説をもらう段階でやっと気づく。
でもその時点では、
すでに「内見した」「検討している」「頭金を…」という段階になっている人も多いですよね。
だからこそ、この部分だけは最初に調べないと「気づいた時には遅い」んです。
どこで調べる?ネットで5分!確認方法
実は、ほとんどの市区町村が立地適正化計画を公式サイトで公開しています。
調べ方はとても簡単。
▼ Google検索例
○○市 居住誘導区域 立地適正化計画
すると、以下のようなPDFマップやGIS(地図検索)にアクセスできます。
- 居住誘導区域内に入っているか
- 対象用途(住宅/医療/福祉など)
- 将来的な都市の方針(集中 or 縮小)
投資家として知っておくべき実践ポイント
- 物件資料(マイソク)を見る前に、該当地域の計画を検索
- 居住誘導区域【外】の場合、将来的に価格が下がる・売れないリスクがある
- 仲介会社にも確認:「この物件、立地適正化計画の区域外じゃないですか?」
さらに、将来の行政支援や税制優遇なども「居住誘導区域内」が前提になることが多いです。
おわりに:価格より“都市の意志”を読むこと
不動産の価値は、利回りや立地だけではありません。
その都市が「ここに住んでほしい」と思っているか?
それを見極めるヒントが、
都市再生特別措置法と立地適正化計画です。
価格は数字ですが、
価値は都市の意志と共に変わる。
不動産投資において、「目先の利回り」だけでなく「都市の未来図」に目を向けていきましょう。
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