コロナショック、給付金、爆上がりする株価──。 「実体経済と株価がズレてる気がする」と思ったことはありませんか? その裏で注目されたのが、MMT(現代貨幣理論)という新しい経済理論です。
本記事では、
- MMTってどんな考え方なの?
- 株式市場とどう関係しているの?
- 投資家はどんな点に注目すればいい? をやさしく、わかりやすく解説します。
MMT理論とは?家計とは違う「国のお金の考え方」
MMT(Modern Monetary Theory:現代貨幣理論)とは、「政府は通貨を発行できるので、お金が足りないという理由で支出を抑える必要はない」という考え方です。
従来は「税金を集めてから使う」が常識でしたが、MMTでは真逆。 「政府がまずお金を使って、あとから税金で調整すればいい」というスタンスです。
また、財政赤字も「問題視しなくてよい」という立場。 自国通貨を発行できる国(例:日本やアメリカ)は、借金しても返済不能になることはないと考えます。
ただし、MMTにもブレーキがあります。 それが「インフレ率」。 物価が上がりすぎれば、税金を増やしてお金を回収したり、政府支出を減らす必要があります。
つまり、赤字を恐れず支出しつつ、インフレを見て調整する──これがMMTの基本です。
実はもうやってた?コロナ後のアメリカは“MMT的”だった
2020年、アメリカはコロナ対策でMMTに近い政策をとりました。
- 国民への給付金配布
- 失業保険の拡充
- 企業への補助金
- FRB(中央銀行)による国債の大量購入
これにより、アメリカはGDPの20%を超える巨額の財政出動を実施。 MMTの言う「財政赤字を気にせず支出」は、まさにこのとき実現されていたのです。
そして驚くべきことに、この支出ラッシュの中、株価はV字回復。 S&P500やNASDAQは過去最高値を更新しました。
MMTと株式市場の意外なつながり【3つの視点】
① お金のバラマキ→株高の燃料に
政府が国債を発行して資金を供給し、それを中央銀行が引き受けることで、 市場に大量のマネーが流れ込みました。
行き場をなくしたお金は、
- 株式市場
- 仮想通貨
- 不動産 といった資産市場へ流入し、結果的に「株だけが上がる」状態が生まれました。
② インフレを警戒して株が先に反応する
MMTは「インフレが出てから税で調整」と言いますが、 実際には株式市場が先にインフレを察知して下がることがあります。
- 政府支出が増える
- → 投資家が「インフレ懸念」を感じる
- → 長期金利が上がる
- → 企業の将来利益が目減りすると見られ、株価が下落
このように、MMT的政策は株にプラスにもマイナスにも働くのです。
③ 株式は「お金の逃げ場」になる
通貨の価値が下がると、現金で持っているリスクが高まります。
その結果、投資家は「お金の逃げ場」として、
- 株式
- ゴールド
- 仮想通貨 などの「希少資産」に資金を移します。
つまり、MMT的な政策(大量の通貨発行)は、 株式市場を“資産インフレ”の舞台に変えるのです。
「株はインフレに強い」は本当?気をつけたいポイント
たしかに株式はインフレにある程度強いと言われていますが、すべての銘柄がそうとは限りません。
- グロース株:金利上昇に弱く、下落しやすい
- バリュー株:資源・金融・公益などはインフレに強い傾向あり
また、企業のコスト増が利益を圧迫する可能性もあり、 インフレ=株高ではないことに注意が必要です。
MMT的な支出が続く局面では、「セクター選び」や「分散投資」が重要になります。
まとめ:MMTは株の動きを学ぶチャンスでもある
MMTは賛否の分かれる理論ですが、
- なぜ株が上がるのか?
- なぜ金利で株が下がるのか? を知る手がかりになります。
お金の流れ、政府の政策、インフレ率──。 これらが株式市場とどう連動するのかを意識することで、 ニュースの読み方や投資判断にも深みが出てきます。
今後、FRBの政策や財政出動のニュースを見かけたら、 「これはMMT的な動きかな?株にどう影響するかな?」と考えてみてください。
株の裏にある“経済の波”を知ることが、投資家としてのあなたの武器になります。
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